医学部の学生という存在は、勉学の対象が人体であるために、ふつうの大学生とはちょっと違う体験をするものである。
それに自分の体という最高の教材がいつもあるので、それを使って実験をしたりする。

私が医学部3年生の頃、生理学の勉強をしていると、挙睾反射なる見慣れぬ文字が飛び込んできた。
・・・なぬなぬ・・・
大腿内側をさすると、挙睾筋が収縮し陰嚢が上がる・・・
反射というのは、身体が感じた知覚的刺激が大脳に伝わることなく延髄で処理され、筋肉に信号を伝達し筋肉が収縮することをいうのだが、その時の私は、反射のメカニズムより先にこれを自分の体で再現してみる衝動に駆られた。
おもしろそうではないか!
居ても立ってもいれなくなった私は、その場でもぞもぞとパンツを脱ぎ捨て、太股の内側をさすってみた。すると、ちゃんと玉袋が収縮するではないか!

コレハオモシロイ!ダレカニミセナクテハ!

次の衝動に駆られた私だったが、モノがモノだけに考え込んでしまった。
しかし、ふとある考えが浮かんだ。
彼女がいるではないか!
当時の私の彼女は、医学部の同級生だったので、私の行動に共感してくれるに違いない。
そういうわけで生理学の教科書を片手にすぐに彼女のアパートに向かった。
幸運なことに彼女がいたので、上がり込んで
「見せたいモノがある!」と言っていきなりズボンとパンツを脱ぎ捨てた。そしておもむろに教科書を開いて
「挙睾反射って知ってる?」
下半身裸の私を見ながら呆然としていた彼女だったが、その語句を知っていたみたいで
「うん!見てみたい!」と言ったので、その場で実物の挙睾反射を見せ、二人で喜んだのだった。
メデタシ、メデタシ。

しかし、今考えてみると、大学生の男女二人が、一室にこもり、男が下半身裸で股ぐらをのぞき込んでいるという異様な光景は、はたから見たらかなりおもしろいであろう。

探究心が旺盛だった頃のお話である。

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