イレウス
2001年1月5日イレウス・・・別に星の名前ではない。れっきとした病名である。日本語で言うと、腸閉塞。
腹部の手術をすると、治癒過程で腸管が腹壁などに癒着してしまい、あるきっかけで腸管内が狭くなり内容物が通過障害を起こす。
症状は、腹痛・嘔吐・腹部膨満であり、治療はひどい場合には再手術を行うこともあるが、大抵の場合イレウス管という2m以上ある管を鼻から挿入し腸管の内容を吸引することで数日で症状は軽快する。
その体格の小さい腰の曲がったおばあちゃんは、数年前に胃癌の手術を受けていた。
ある日、腹痛を嘔吐を訴えて、外来に来たのであるが、レントゲンを見てみると、立派なイレウスである。
私はいつものように入院させ、鼻からイレウス管を入れて様子を見ることとした。
数日後、症状がなくなったためイレウス管を抜こうと思い、そのおばあちゃんのところに行った。
すると、症状がすっかりなくなったおばあちゃんが私に
「なんか、尻が変な感じばってん、どうもなっとらんですか?」と訴えた。
・・・ドレドレ・・・ゲゲッ!!!
ばあちゃんの肛門を見てみた私の目に飛び込んできたのは、なんと、鼻から入ったイレウス管の先端であった。
イレウスが軽快すれば当然のことながらイレウス管は鼻から抜去するのであるが、私は良心の呵責にさいなまれた。
・・・いったん肛門から出た管を鼻から抜いていいものだろうか?・・・
私は一瞬躊躇したが、ばあちゃんには、肛門に起こった珍事のことは一切話さず、イレウス管を抜去することのみを告げた。
「お尻は、どがんもなっとらんですよ。鼻の管を抜きましょかね」
そそくさとイレウス管を抜くと、ばあちゃんは、
「ああ、すっきりした。尻もよくなったごたる。先生はすごかね〜。見ただけで尻がよくなった。」
私は、ばあちゃんの目を見ることもできず、そそくさと病室から離れたのは言うまでもない。
腹部の手術をすると、治癒過程で腸管が腹壁などに癒着してしまい、あるきっかけで腸管内が狭くなり内容物が通過障害を起こす。
症状は、腹痛・嘔吐・腹部膨満であり、治療はひどい場合には再手術を行うこともあるが、大抵の場合イレウス管という2m以上ある管を鼻から挿入し腸管の内容を吸引することで数日で症状は軽快する。
その体格の小さい腰の曲がったおばあちゃんは、数年前に胃癌の手術を受けていた。
ある日、腹痛を嘔吐を訴えて、外来に来たのであるが、レントゲンを見てみると、立派なイレウスである。
私はいつものように入院させ、鼻からイレウス管を入れて様子を見ることとした。
数日後、症状がなくなったためイレウス管を抜こうと思い、そのおばあちゃんのところに行った。
すると、症状がすっかりなくなったおばあちゃんが私に
「なんか、尻が変な感じばってん、どうもなっとらんですか?」と訴えた。
・・・ドレドレ・・・ゲゲッ!!!
ばあちゃんの肛門を見てみた私の目に飛び込んできたのは、なんと、鼻から入ったイレウス管の先端であった。
イレウスが軽快すれば当然のことながらイレウス管は鼻から抜去するのであるが、私は良心の呵責にさいなまれた。
・・・いったん肛門から出た管を鼻から抜いていいものだろうか?・・・
私は一瞬躊躇したが、ばあちゃんには、肛門に起こった珍事のことは一切話さず、イレウス管を抜去することのみを告げた。
「お尻は、どがんもなっとらんですよ。鼻の管を抜きましょかね」
そそくさとイレウス管を抜くと、ばあちゃんは、
「ああ、すっきりした。尻もよくなったごたる。先生はすごかね〜。見ただけで尻がよくなった。」
私は、ばあちゃんの目を見ることもできず、そそくさと病室から離れたのは言うまでもない。
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